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鳩山邦夫議員が「自殺にはDNAが関係」発言
前々回のエントリー自殺問題は「お涙チョーダイ」ではないで取り上げた河村官房長官の問題発言については、自殺対策に取り組む諸団体が申し入れを行って既に釈明と謝罪が行われました。6月24日の出来事です。
◆<河村官房長官>自殺対策の「お涙ちょうだい」発言で陳謝
詳細については、諸団体(民間35団体)を代表して申し入れを行ったライフリンクの清水代表のブログにて報告されています。
【報告】 河村官房長官に「自殺論議はお涙ちょうだい」の真意を聞いてきました


さて、河村発言が落着したばかりだというのに、今度は問題発言のデパート・鳩山邦夫前総務相が自殺関連で大問題発言です。
◆「自殺にはDNAが関係」 鳩山前総務相が問題発言
自民党の鳩山邦夫前総務相は12日、地元の福岡県久留米市で行った講演で、親子が相次いで自殺するケースがあるとの認識を示した上で「自殺というのには、やはり何らかのDNAが働いているのではないかと言われている」と述べた。
 自殺者が年間3万人を超え、自殺予防の取り組みが社会的課題とされる中で、自殺には遺伝性があるとの誤解を生じさせかねない発言だけに批判が出そうだ。
 講演は、鳩山氏の祖父でブリヂストン創業者の故石橋正二郎氏生誕120年を記念し、久留米大(同市)が主催したシンポジウムの基調講演として実施。鳩山氏は、自殺とDNAに関する発言に続けて「久留米大で研究していただければありがたい」と強調した。
 遺伝をめぐっては、このほかにも「私が絶対に曲がったことをしないのは正二郎譲り」「うそで固めた政治資金収支報告書を出す兄(鳩山由紀夫民主党代表)に正二郎の遺伝子はあまり濃く残っていない」などと持論を展開した。

(以上、引用。強調は筆者)

記事にある通り、自殺に遺伝子が関係するというのは今時ほとんど聞かなくなったくらい初歩的な誤解です。しかも、ある種の差別意識から来る誤解だと思います。こうした「遺伝子説」的なものが自死遺族にとって精神的な負担となったり、結婚の障害になったりするケースが少なくないことが既に知られています。
そもそも「親子が相次いで自殺するケースがあるとの認識」や「自殺にはDNAが関係しているといわれている」といった前提が何を根拠にしているのか分かりません(以前、死刑問題ではYahooのWeb投票を「国民の意識」として国会で引用した人ですから)。

ただ、自死遺族への調査によれば、遺族の4人に1人が「死にたいと考えることがある」と回答している現実はあります。しかし、これをして「親子とも死ぬんだから遺伝」と考える、要は「遺伝的にネクラな(あるいは精神的に脆弱な)DNAだから死んでんだよ」というのはあまりにも短絡的な発想であり、差別以外の何者でもありません。
大切な家族を自殺というかたちで失って、まったく影響を受けないことのほうがむしろ不自然かもしれません。残された家族が将来不安に陥ったり、自責の念に捕らわれたり、周囲から攻められたり、喪失感を覚えたりして、精神的に追い詰められていく状況は察するに余りあります。
また日本の自殺問題は、経済・雇用状況の悪化が自殺率に直結してしまうという特色を持っています。それを加味すれば、親子が続いて自殺するケースが多いと仮定した場合、その理由は遺伝ではなく「家庭そのものが貧しい」とか、「父親(大黒柱)の自死によって遺族が経済的に立ち行かなくなる」といった貧困の連鎖も大きな要因と思われます。
日本の自殺者で一番多いのは中高年の男性=家計を支える働き盛り世代ですから、経済的な側面は決して無視できない問題の一つです。

いわゆる「後追い自殺」の現実があるとして、それを防ぐために周囲の人々や社会・政治がどう対応すべきかではなく、遺伝気質的な個人の問題として捉えることが既に鳩山邦夫議員の大きな過ちです。
また、同じ講演で遺伝を根拠に自分の人間性(絶対に曲がったことをしない)を肯定したり、野党議員である兄・鳩山代表の政治問題(政治資金収支報告書の記載)を批判しており、科学哲学などの分野で問題になっている「DNAを根拠にした優勢思想」に立っているとしか思えません。
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【2009/07/12 23:25】 | 自殺 | トラックバック(0) | コメント(0) |
自殺問題は「お涙チョーダイ」ではない
河村官房長官の発言が、自殺予防・自死遺族支援など自殺対策を行っている多くの団体で波紋を呼んでいる。いや、もっと端的に、批判を呼んでいる、と表現するのが正確か。
河村発言について長く紹介している新聞記事が少ないので発言全体の中身がよく分からないのだが、一番長く引用している日テレNEWS24の記事よりご紹介する。党首討論での鳩山発言についての批判である。
河村官房長官「(鳩山代表は)政策に具体論がなかった。このことがむしろ際立った。与党になったら、ということでは、説得力が全くないと思う。人の命の大切さや自殺を取り上げたが、医療の深刻さは与党も重く受け止めている。しかし、お涙ちょうだい的な議論をする政治のゆとりはないと思う
(強調は筆者)
NPO法人 自殺対策支援センター ライフリンク代表の清水さんが、自身のブログにて総論的な批判をされているのでまずはこちらをご参照いただきたい。
自殺問題を「情緒的な話」で済ませようとする人こそが情緒的である。

私も友人の一人を自殺で失い、また何人かの「サバイバー(自殺未遂者)を友人に持っている。友人達の「死へ向かわざるを得なくなった経緯」はいずれも、社会の差別や、労働環境や、セーフティーネットの問題が直結した、まさに「今そこにある、あまりにも具体的な社会問題」だった。
不安定雇用による将来の見えなさだとか、セーフティネットの無さによる貧困だとか、ヤミ金による多重債務だとか、過剰労働による精神疾患だとか、同性愛差別による自己否定感情だとか、児童虐待による自我の崩壊だとか。以前書いたように、場合によっては、それが二つも三つも四つも重なっていく。
「負の連鎖」の帰結としての自殺 ~友人Mのケースから~(1)
「負の連鎖」の帰結としての自殺 ~友人Mのケースから~(2)
ちなみに、この日記に登場する友人Mは、昨年お母様が末期癌になって更なる生活困窮に陥り、仕事+介護+精神疾患+ただ1人の家族を失うかもしれない不安の中で、生活保護を受けつつ生き抜いている。

私の友人達はいずれも20代の「若者」だ。自分を取り囲む苦しさを「社会」や「政治」といった外部視点から見るための知識も経験も浅いし、また世代的には「権利ばかり主張して義務を果たさない」だの「最近の若い奴は怠けてる」だの「自己責任」だのと言われ続けてきた。
そのために、苦しさの原因を自分の中だけに見つけ出そうとして、自分の努力が、根性が、コミュニケーション能力が足りないからだ。自分の性格が悪いからだ。自分がおかしいからだ。自分の運が悪かったんだ、と自分で自分を追い込んで行く。そして借金や失業や生活困窮といった具体的な諸問題に対して、どこに助けを求めれば良いのかもよく知らない。
そのため友人らはいずれも、自身の苦境を社会の問題ではなく個人的な「自分の心の問題」として認識してしまい(というか、「自己責任」などの言葉によってそのような認識を持たされてしまい)、助けを求めることも出来ずただただ自分ばかりを責めて、出口の無い深い闇に迷い込み、手首を切ったり、薬を大量に飲んだり、2階から飛び降りたりして行った。

友人達の過去を思い出し、今こうやって文章を書いているだけでも、確かに私は情緒を揺さぶられて泣きそうになる。
しかし、それは自殺問題が「情緒的なお涙頂戴話」であることを意味しない。こんなにも、ちょっとしたつまずきや社会の偏見によって、なぜ人々が「死」という究極的な場所にまで追いやられてしまうのか。その理不尽さを思い知らされるからだ。
毎年3万人以上が自殺し、多くの人々が、生きたいと願いながらも死を選ばざるを得ない(と主観的には思える)状況に追いやられている。社会によって、死を「選ばされて」いる。
この社会が毎年何万人もの命を見殺しにしていることこそが、そのような社会構造こそが、まさに「社会のゆとりの無さ」を端的に示す極限の現象ではないのか。
「自殺総合対策会議」の会長として政府の自殺対策責任者でもある官房長官が、自殺についてこのような認識を持っていることに、また深く絶望させられる。そして怒りが湧き上がってくる。それは民主党を支持するとか、何党を支持するとか、鳩山代表を支持するとか、あるいはしないとか、それ以前の問題である。

近く、この発言に対し、自殺対策に関わる多くの民間団体が連盟で申し入れを行う方針である。
自殺問題が情緒的な問題ではなく「深刻な社会問題」であり「重要な政治課題」であることを、官房長官には是非ともご認識いただきたい。

テーマ:政治のニュース - ジャンル:ニュース

【2009/06/19 15:13】 | 自殺 | トラックバック(0) | コメント(0) |
2009年3月、自殺者数が急増
昨年末から、「100年に一度の経済危機」といった言葉が使われるようになり、サブプライムローン等に端を発する世界的な不況が叫ばれています。未だにその解決方法は模索状態であり、先が見えないままと言って良いでしょう。
そんな中、不況の深刻化が明るみになった頃から、自殺者の急増が懸念されていました。
昨年末の「年越し派遣村」の時点でも、自殺企画者が思いとどまって派遣村に来たエピソードや、東尋坊で保護された未遂者の多くが「派遣切り」にあっていたことが紹介されるなど、経済・雇用状況の悪化が人の生命をも脅かしつつあると警告されてきました。
◆自殺者の増加を防げ 景気悪化、近づく年度末

思い返せば11年前、日本の年間自殺者数が初めて3万人を超えた1998年。「貸し渋り」や「日本列島総不況」が新語・流行語として選ばれるほどの大不況となりました。後に起こる「失われた10年(平成不況)」の発端となった年とも言えるでしょう。
以前にも当ブログに書いたことですが、98年の自殺者急増は、実は厳密に見ると決算期である3月から起こっています。そのため今年も、3月から更に自殺者が増えるのではないかと心配されていました。また、多くの市民団体が政府に自殺予防の対策を求めても来ました。
しかし残念ながら、先日発表された警視庁の自殺者統計によると、2009年3月の自殺者数は先月比23%増と大幅に増加していることが判明しました。
諸団体から事前の警告があったにも拘らず、現に「予想通りの増加」が起きてしまったことになります。
◆警視庁による月別自殺者数統計
◆3月の自殺者3060人=昨年比4%増-埼玉、沖縄、広島、東京で急増・警察庁
報道記事では昨年同月との比較になっており、それからすると4%の「微増」とも取れます。が、それまでの月と比べて3月(増加が警戒されていた決算期)に急増しているのは重要な点です。
「予測可能」であったことから考えても、これは明らかに自殺者個人の問題ではなく社会的な問題です。自殺者の年代など詳細は公開されていませんが、年度末が起点になっていることを加味すれば、経済・雇用の問題が大きく影響していることは想像に難くありません。
特筆すべきは愛知県で、なんと2月に比べ59%の増加です。ここまで来ると増加というより激増です。原因について単純化するのは危険ですが、愛知といえばトヨタ、と即座に思い浮かびました。

とはいえ、経済の問題が端的に自殺者増加に影響するのは、万国共通の現象ではありません。
日本の失業率は諸外国に比べて高くないわけですが、自殺率は日本のほうがはるかに高い。つまり他の先進国においては、失業増加=自殺者増加ではありません(もちろん影響がゼロではないでしょうが)。
ここまで極端に、経済悪化が自殺増加に影響を及ぼす現状は、失業してもソコソコ生きていける、という「雇用以外の受け皿(セーフティーネット)」の脆弱さを如実に現わしているのではないでしょうか。つまり「不況だから仕方が無い」という話では片付かない問題なのです。

98年に起きた自殺者急増は、残念ながら一過性に終わりませんでした。98年以降11年に渡って現在まで、毎年3万人超えが続いています。毎年、コンスタントに3万人以上の命を犠牲にして回っている、それが今の日本社会の姿です。
その人数が更に増えようとしている。とても、マトモな社会とはいえません。

テーマ:経済・社会 - ジャンル:ニュース

【2009/04/29 23:22】 | 自殺 | トラックバック(0) | コメント(0) |
2008年の自殺者数も3万人超え
昨年の自殺者数も3万人を超えていたことは、先月22日に発表されていたが、その時点ではさして大きく扱われなかったように思う。既に「年間自殺者3万人」はたいしたニュースにすらならなくなって来ているのだろうか。

本日、初めて月別の自殺者数が発表されたことで報道が大きくなった。
◆自殺者、1月は2645人…いのち守る動き広がる
◆自殺者数、11年連続3万人超 不況で増加警戒
以前にも書いた気がするが、この「自殺者数の月ごと発表」はライフリンクなどの市民団体が要望していたもので、発表までの動きはかなり迅速だった。記事にもあるように、金融危機の影響で年度末に更なる自殺増加が懸念されており、そのためのスピード改革だと思われる。
自殺者数が急増し、初めて自殺者数が3万人を超えたのは1998年だが、この年も正確には3月以降に自殺者が急増している。「100年に一度の経済危機」といわれる今年、自殺者数がどのような推移を見せるのか、引き続き注目したい。

一方で忘れてならないのは、「一人の死は悲劇だが、100万人の死は単なる統計に過ぎない」というスターリンの言葉である。
「年間自殺者3万人」のそれぞれに、極めて個人的で個別的な「それぞれの人生」があったことを、私は決して見失いたくない。
【2009/03/06 00:16】 | 自殺 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「負の連鎖」の帰結としての自殺 ~友人Mのケースから~(2)
引き続き、友人Mが自殺未遂に至った経緯について。話は彼女の生い立ちにまで遡る。
◆幼少期に両親が離婚、母子家庭になる
◆Mが就職した頃、母親が入院
→Mの収入だけで家計を支えることになる
→生活費+医療費のため多重債務
→借金取立てが影響して職を失う
これが5年以上前の話だ。私は個人的に相談を受けて自己破産と生活保護を進めた。
結局、親子そろって自己破産はしたものの、生活保護は「倫理的に嫌だ」と頑なに拒んだため、Mが家計を支える状態は変わらなかった。Mはフリーターとしてダブルワークを経た後、2年ほど前に今の職場(製造業)へと移る。
そして、今回の自殺未遂に直接関わるのは以下のような経緯である。
◆社内で同性に失恋
(相談できる相手が限られ、精神的に追い詰められる)
◆収入減を恐れて休職・転職できない
→さらに精神的に追い詰められ、体調も悪化
→自殺未遂

これが「失恋を苦に自殺未遂」と呼ばれるなら、やはり「あまりにも不正確」か「あまりにも説明不足」だ。確かに失恋がきっかけではあるけれど、M自身かMの家族が経済的に裕福なら、少なくとも「ナミ」の経済力なら、少し仕事を休んで傷を癒すことも出来ただろう。失恋相手が異性なら、もっと多くの人に気軽に相談できていただろう。
驚くほどの「負の連鎖」が重なった先に、死がある。
「自殺時に平均4つの危機要因を抱えていた」 と言う時、その事実は「4つも不幸が重なるアンラッキーな人が自殺する」ことを意味するのではない。1つ2つの(おそらくは誰にでも起こりうる)不幸が、あっという間に負の連鎖に引き込まれ、3つ4つと折り重なることを意味する。
思い出すのは、湯浅誠が貧困問題で語る「五重の排除」や「溜めの無さ」との類似性だ。
私たちの社会は明らかに、なにかしらの「アンラッキー」に遭遇したとき、歯止めとなる安全装置が欠如している。
【2008/07/27 16:21】 | 自殺 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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ささきち

Author:ささきち
1981年生まれ。150cm。
なんかいろいろマイノリティ。
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