die-in(ダイイン)
「社会」を見つめ、「世界」を感じる。それが悲惨だからこそ。
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プレゼン裁判を裁判長が主導するのか? (後)
間にいくつかエントリーをまたぎましたが、後編です。

裁判員より目立つ裁判官の発言 立命大准教授、模擬裁判評議を分析(07年11月26日 京都新聞)
裁判員制度の模擬裁判で、裁判官3人と市民から選ばれた裁判員6人が判決を導くために意見を交わす「評議」を分析した結果、裁判官の発言数が全体の6、7割を占め、裁判長はあまり発言しない裁判員に比べて10倍以上も話していることが、立命館大の堀田秀吾准教授(法言語学)の研究で分かった。裁判長と裁判員とのやりとりが中心で、裁判員同士の会話が極端に少ない傾向もみられ、堀田准教授は「市民が主体的に参加できるよう、さらなる工夫が必要だ」と提言する。
(中略)
 その結果、議論のルールや法律の説明など、裁判官による発言が必要な場合を除いても、裁判長の発言回数や発話量が全体の5割近くを占めていた。ある地裁で今年行われた評議では、裁判長が532回発言したのに対し、裁判員1人の平均発言数は137回、1番発言の少ない裁判員は41回だった。 (後略)

掘り出しニュース:全国の模擬裁判 裁判官しゃべりすぎ? 発言の60~70%占める(07年11月27日 毎日新聞)
以下、一部のみ抜粋。
しかし、京都地裁で05年と今年に実施された模擬裁判では、裁判官の発話量が64%から54%に減少。裁判員同士のやり取りも18%あり、若干の改善もみられた。また、裁判官が述べた意見の60%超が供述調書や法廷証言など直接的証拠に基づいていたのに対し、裁判員は想像した状況・場面や自己の経験を反映させたケースが60%以上だった。

法言語学なんていう学問があるのかって驚きとか、これは掘り出してる場合じゃなくてかなり重要なニュースだろという憤りはさて置き。
非常に有意義な記事でしたので、ぜひ元サイトで全文をご確認ください。

素人である市民が裁判に参加すること自体、いろいろと危惧されてはいますが、仮にも「市民参加」を大々的にうたっている以上、評議において裁判員が中心的な役割を果たすのが道理でしょう。人数的にも、職業裁判官より裁判員のほうが多い(3対6)わけですし。
しかし、この分析結果によれば、職業裁判官全体(3人)どころか、裁判長一人の発言が全体の5割を占めていたのです。これじゃ裁判員がいる意味が無いというか、職業裁判官(裁判長)が評議を誘導していると言われても仕方ありません。
改善しても今のところ「裁判員同士のやり取りも18%あり」っていうか、裁判員同士のやり取りが18%しかないのですから。
旧ブログでも、裁判員制度が結局のところ、判決に対する裁判所の責任逃れに繋がるのではないかと書きました。
裁判員の判決は誰が責任を負うのか
PFI刑務所は「小さな政府」に繋がるか
このニュース記事を読んでその思いを更に強くしました。裁判長が中心になって評議を行い、実質的には裁判長が判決を出しておきながら、判決の責任だけは「だって、あんたも参加したでしょ」と裁判員である市民に負わせる。
それが「あるべき新しい司法の姿」なのでしょうか?

また気になったのは、毎日新聞の記事にある「裁判官が述べた意見の60%超が供述調書や法廷証言など直接的証拠に基づいていたのに対し、裁判員は想像した状況・場面や自己の経験を反映させたケースが60%以上だった。」という部分です。
裁判員の個人的な人生経験や、「市民の感覚」を反映させるのが裁判員制度の大きな目的のひとつです。しかし、そうした経験や感覚は、しばしば公平な判断や正確な判断とは乖離してしまうこともあります。魔女裁判のような民衆裁判はその典型的な例です。
もちろん、今の司法(職業裁判官による判断)が、あまりにも紋切り型というかテンプレート的で、それはそれで問題もあろうかと思います。ただ一方で、個人的な経験・想像による判断も危ない側面があるわけです。
特に今の日本は、刑事弁護人が頻繁にバッシングされるような状況ですから、事案によっては社会的な高揚から、公平な判断が期待できない可能性もあります。
裁判員制度においては、そうした点にかなり留意する必要があると思います。個人的な想像・経験からの発言が6割というのは、逆に言えば直接証拠に基づいた発言は多くても4割しかないわけです。ただでさえ(職業裁判官に比べて)裁判員の発言が少なく、その発言もほとんどが個人的な経験・想像から来ているとすれば、かなり問題です。
「市民は直接証拠より経験や想像を重視してしまうから、裁判長がちゃんと議論を引っ張っていかなくてはいけないんだ」という反論もあり得ますが、だったら最初から今の制度でやれば良いじゃん。
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【2007/11/30 23:55】 | 裁判員制度 | トラックバック(1) | コメント(0) |
マックのサラダはどうなっているか
<マクドナルド>4店舗でのラベル張り替え、ほぼ毎日(11月29日 毎日新聞)
東京都内の4店舗で商品の調理日時のラベル張り替えや賞味期限切れの原料使用が発覚した日本マクドナルドは29日、この4店舗で01年12月からほぼ毎日、サラダのラベル張り替えが行われていたとする調査結果を発表した。また、賞味期限切れの原料使用は04年10月から、トマトなど3種類で行われていたことも判明し、長期間にわたり恒常的に不正が行われていたことが明らかになった。 (後略)

表示が改ざんされていたことは、まず問題です。
ただ、このニュースにはもうひとつ見落としてはいけない側面があります。

みなさん、ご自宅でサラダを作ることもあると思います。もしくは、トンカツなんかのときに千切りのキャベツを添えることもありましょう。
その際、残ってしまった刻み野菜をラップにくるんで冷蔵庫で保存しても、たいていはすぐシナシナになってしまいます。少なくとも、前日に刻んだ野菜を「今切ったばかりだよ」と出せば、普通はすぐに「嘘つけ」と見破られてしまうことでしょう。
しかし、マックのサラダについて、表示が張り替えられていると気づいた消費者はごく少数だと思います。
なぜ、自宅で切った野菜はすぐシナシナになってしまうのに、マックのサラダは賞味期限切れの食材ですら、バレることなく表示の張替えが「出来てしまった」のでしょうか?
食品に関心のある方ならご存知とは思いますが、市販されているサラダや、飲食店で出される刻み野菜の多くは、水や添加物につけられています。
だからこそ、時間がたってもパリパリシャキシャキで見た目は瑞々しいという、見せ掛け上の「鮮度」を保つことが出来るのです。
一度、市販されているサラダの表示をよく見てください。ドレッシングに添加物が入っているのは分かるとして、実は原材料の部分にも添加物の名前がたくさん並んでいます。それらは、刻んだ野菜がつけられていたプールに入っている添加物です。
野菜不足だからといって市販のサラダを食べでも、必ずしも健康のためになるとは言えなかったりするのです。
【2007/11/30 01:27】 | ニュース | トラックバック(0) | コメント(0) |
東国原知事の「徴兵制」論と重罰化の共通点
「プレゼン裁判を裁判長が主導するのか?」の後編は明日書きます。後編では「裁判長が主導するのか」の部分について書く予定です。

で、ふと思ったんですが。
東知事は徴兵制発言の釈明の中で「規則正しいルールとかが身につく教育がある時期必要。それがなくなり、倫理観とか友情の欠損につながっていると思う」と述べています。
これって、昨今の重罰化の発想と似ていないでしょうか。
どちらも根底にあるのは、「人間は厳しくされれば良いほうに行く」という発想です。軍隊のような厳しい環境に入れば良い子(何を良い子とするかも問題ですが)に育つ、犯罪者は重罰で懲らしめれば再犯をしない、とかそういった話です。
つまり「北風と太陽」で言えば、東知事のような人たちは北風方式を支持しているといえます。

しかし、特に対象が子ども(未成年者)の場合、厳しく接するよりも理解し肯定した上で接するほうが有効とする研究結果が複数発表されています。
少年院があるのも、「更正に主眼を置いたプログラムのほうが効果的」とされているから、刑務所とは違うやり方が選ばれている側面が強いと思います。実際、再犯率も少年刑務所より少年院のほうがかなり低いわけです。
ただ、そうした接し方には手間も時間も金もかかりますし、まー要するに大変です。一方で厳しく叱り付ければ叱ったほうは気が済みますし、悪い結果になれば「あんなに言ったのに!お前が悪い!」と攻め立てることも出来ます。
ですから「北風支持論」は、結局のところ社会や大人の手抜きなのかもしれません。
【2007/11/30 00:46】 | ニュース | トラックバック(0) | コメント(0) |
プレゼン裁判を裁判長が主導するのか? (前)
すみませんが、勉学に加えて来月からバイトも始まるので、しばらくはニュース的な記事のみになると思います。本当は時間をかけて総論的なものも書きたいのですが、なにしろ処理能力の高くない脳一個でやってるもんで。

今日は裁判員制度について。
◆『分かりやすさ』に課題多く 模擬裁判を検証(07年11月25日 東京新聞)
(前略)
裁判のポイントは、検察、弁護側の異なる主張のうち、裁判員らがどちらの方に説得力があると判断するかだ。裁判員は法律の専門家ではないので、工夫したプレゼンテーションが求められる。
 「スクリーンに注目してください」。検察側はパソコンを操作しながら、法廷内に用意されたスクリーンに、主張をまとめた文章や現場の見取り図を映し出し、裁判員にこう繰り返した。従来は書面を読み上げることが多かったが、裁判員が理解しやすいよう視覚に訴える試みだ。弁護側も同様の手法を取り入れた。

(中略)
これに対し、弁護人役の山下雄大、石井裕一両弁護士は、パソコンを多用するなど従来より“プレゼン重視”の公判について「検察側のように人手が豊富ではない弁護側には負担が大きい」と漏らす。「本来、立証責任は検察側にあり、弁護側は『検察側の主張はおかしい』と思わせればいいはず。なのに『どちらの主張が正しいか』というように見られている」とも感じたという。
また、両弁護士は「分かりやすさ」や時間短縮を重視する裁判の進め方には不安感をのぞかせる。「裁判員が考える時間が少ないと、裁判が“インパクト勝負”になってしまう。時間をかけることで気付くこともある。証拠について、しっかり話し合ってほしい」
(後略)

◆簡略化は可能か?
素人である「市民」には分かりやすい説明が絶対に必要です。ただ、それが本当に「裁判の公正さ」と折り合いが付くのかは疑問です。
簡潔に分かりやすくする、とは、基本的に複雑さをそぎ落としていく作業です。そこでそぎ落とされたものが、本当に(有罪・無罪や量刑の判断に影響しない程度の)落としても良い部分なのかを、すべての裁判員裁判において正確に判断することなど出来るのでしょうか。
ましてや、裁判員裁判が適応されるのは重大な犯罪(放火・殺人・強盗強姦など)のみとされていますから、かなり複雑な経緯や証拠判断が必要な場合も当然予想されます。また重罪である分、有罪になった場合は量刑も当然重いものになります。
裁判員が素人だからといって、それに合わせて事件の複雑性が変わってくれるわけもありません。それを「簡潔に分かりやすく」説明して本当に大丈夫なのか。

◆検察官・弁護人の業務拡大
検察官・弁護人とも、特にプレゼンのテクニックを勉強して来た人たちではありません(中にはたまたまそういう経歴の人もいるかも知れませんが)。
裁判員裁判においては、プレゼン能力が検察官・弁護人として重要な能力のひとつにならざるを得ません。もちろん今までの裁判でも、いかに裁判官に説得力を持って聞かせるか、といった意味での演出というかプレゼンはあったんでしょうが、素人相手となるとまったく違う性質の話です。
言うまでも無く本来的には、プレゼン能力なんて「公平な裁判」とは何の関係もありません。というか、プレゼンのハデさや説明の分かりやすさといった「見た目」にとらわれず、事実を冷静に判断すべきとされているのが裁判官であったはずです。
しかし、裁判員裁判では、判断するのが素人である以上、実際の証拠の有力性や事実関係よりも、それらを「いかに見せるか」が大きな影響を与えると思われます。
今までの仕事にプラスαとしてそうしたプレゼン能力が求められることになれば、記事にもあるように不利なのはモッパラ弁護側でしょう。検察官は国家公務員ですから、ハード(場所・もの)もソフト(人・教育)も雇い主である「国」が用意してくれますが、弁護人の場合はそうもいきません。被告人が大富豪なら別かもしれませんが、残念ながらそういうことはほぼありえません。
今でさえ「刑事弁護は金にならん」と不人気なのに、この上また業務負担が増えることになれば、刑事弁護を引き受ける人は更に減ってしまう恐れもあります。そして、いかに弁護人が使命感に燃えた能力も体力もある人であれ、人間ですから負担は負担です。こうした負荷が判決に影響しない、とは言えないように思います。

◆裁判って何を立証する場所なのか
記事の中で、弁護人役を務めた弁護士から「本来、立証責任は検察側にあり、弁護側は『検察側の主張はおかしい』と思わせればいいはず。なのに『どちらの主張が正しいか』というように見られている」との指摘があります。
これはかなり重要な指摘だと思います。そもそも日本では、一般的に「検察に立証責任がある」ということの理由や意味が、理解されているとは言いがたいからです。
本来、裁判は「検察の主張が、合理的な疑問の余地が無い程度に信用できるものか」を判断する手続きです。つまり問われているのは検察側の主張の信憑性です。そのため、検察側が自分の主張を証明する責任(立証責任)があるわけです。
なんでそうなってるのか大雑把に言えば、基本的に「検察よりも被告・弁護側のほうが不利な状況にある」とされているからです。前著のように、ハード・ソフトとも検察と弁護側では歴然たる差があります。弁護側のために国から捜査員が派遣されるわけでもありませんし、そもそも弁護側は捜査権限をもって証拠を集めることも出来ません。
ですから、立証責任はあくまでも検察側が負い、弁護側はそれに「合理的な疑問」を呈するだけで良いとされているわけです。
しかし、日本では裁判を「検察と弁護側とどっちが正しいか判断する」とか、最近だと「被害者と加害者の対決」と理解している人が少なくありません。
その中でお互いがプレゼン合戦をすれば、指摘の通り「どっちが正しいかを判断する」心理になっていくのは必然かもしれません。そうなれば当然、弁護側が圧倒的に不利です。


別の裁判員関連の記事も紹介する予定でしたが、長くなったのでまた明日。
【2007/11/30 00:24】 | 裁判員制度 | トラックバック(0) | コメント(0) |
東国原知事「徴兵制はあっていいと思う」発言
東国原知事「徴兵制はあっていいと思う」…県民座談会で(07年11月29日 読売新聞)
 宮崎県の東国原英夫知事は28日、宮崎市で行われた県民との座談会で、「個人的には徴兵制はあっていいと思う」と発言した。
 座談会後の報道陣に対し、「(日本の若者を)ある時期、規律を重んじる機関で教育することが重要」との趣旨だったと釈明した。

 座談会には、同県建設業協会青年部の12人が出席。業界の厳しい状況について意見交換した。県内にある建設業技術者の養成機関の全寮制による規律正しい生活が話題になり、知事は「個人的に徴兵制はあってしかるべきと思う。若者は1年か2年くらい自衛隊とか、ああいうところに入らないといけないと考えている」と述べた。
 座談会後、知事は「規則正しいルールとかが身につく教育がある時期必要。それがなくなり、倫理観とか友情の欠損につながっていると思う」と、報道陣に説明した。


就任時、ザ・ニュースペーパーのコントで「宮崎県では最近、そのまんま東が知事に当選するという不祥事がありました」とまで揶揄されていた(ウロ覚えですが、主旨的にはこんな台詞があった)東国原知事。
しかし、以外にもその後は大活躍し(少なくともメディア上の印象では)、知事の鏡的な存在として持てはやされてきました。
私は宮崎県民ではありませんので、知事が実際にどのような県政を行っているか知る由もありませんが、いずれにしろ徴兵制はいかがなものか。
もちろん「規則正しいルールとかが身につく教育がある時期必要」との主張を頭ごなしに否定するつもりはありませんが、その「規則正しいルールとかが身につく教育」を受ける場が自衛隊(軍隊)なのか、それを教育に組み入れるためのシステムが徴兵制なのか、と言われればそりゃ違うんじゃないッスかと思うわ。
鳩山大臣と同じく(最近、おっかけ休んでるな・・・)発言後すぐに釈明していますが、「(日本の若者を)ある時期、規律を重んじる機関で教育することが重要」との趣旨 を伝えるのに、真っ先に徴兵制なんて言葉が出てくるのが、センスというか本音というか。
【2007/11/29 00:27】 | ニュース | トラックバック(2) | コメント(2) |
光市事件、周辺の続報
なんか今日もニュース的な記事で恐縮ですが、少し動きがあったので光市事件について。

◆母子殺害:弁護士は懲戒せず 東京弁護士会が議決(07年11月27日 毎日新聞)
山口県光市で99年に起きた母子殺害事件差し戻し控訴審の弁護団(約20人)の弁護士に対して、全国で懲戒請求が相次いだ問題で、東京弁護士会が「正当な刑事弁護活動の範囲内で、懲戒しない」と議決していたことが分かった。(後略)
いつの間にやら懲戒請求件数は約7500件だそうです。とはいえ、署名じゃありませんので7500ではないわけですが。
橋下裁判の提訴段階では、懲戒請求件数はおよそ4000件くらいでした。
その後の報道で懲戒請求にはリスクが伴う旨も報じられたし、裁判報道自体も以前より少し下火になったようにも見受けられ(ってうちにテレビが無いからそう思うだけか?)、普通なら懲戒請求が収まって当然です。
が、実際にはそうならなかったどころか懲戒請求がコンスタントに増え続け、提訴後も約3500件の懲戒請求が届いているわけです。
この記事とは別の話になりますが、最近意外に思ったのは、今枝弁護士のブログで「日本の弁護士制度史上最高の数の懲戒請求を受けた身として(2位は○立○一先生)」と記載されていたことです。
今枝弁護士は、光市事件裁判において中心的な役割を担っている印象でもありませんでしたし、実際、結果的には後に離脱しました。
光市事件裁判の弁護活動そのものや、「遺族を傷つけた」ことや、橋下弁護士が言う「説明義務違反」が問題なのであれば、弁護活動において中心的な役割の人物がダントツの懲戒請求数を記録しているはずです。つまり弁護団長や、なんつーかテレビ的に「悪名高い」弁護士であり、橋下弁護士が名指しで批判していた安田弁護士に集中するのが「道理」です。
私も提訴時、4000件のうち半分くらいは安田弁護士宛かな~と勝手に思っていました。
しかし実際には今枝弁護士がトップ。
予想するに、橋下裁判の提訴後に「悪いから懲戒されて当然なのに、反発するとは何事だ!」的な姿勢の懲戒請求が1位2位の弁護士に集中砲火されたのではないでしょうか。懲戒請求の書類にはそれが理由とは書いてないんでしょうけど、いずれも橋本裁判の原告ですし。
尚、これはあくまでも東京弁護士会の判断なので、今枝弁護士の所属する広島の弁護士会も同じ判断をするかは分かりません。まぁ、するでしょうけど。

◆山口の母子殺害事件、被告の弁護人が民放報道で申立書(07年11月27日 読売新聞)
山口県光市で起きた母子殺害事件の裁判を報道した民放各局の計18番組に「事実関係の間違いや過剰な演出、不公平な取り上げ方が見られる」として、被告弁護人を務める弁護士ら計17人が27日、放送界の第三者機関「放送倫理・番組向上機構」(BPO)に審理を求める申立書を提出した。(後略)
ようやくという感じです。ここまで問題が大きくなる前に是正されていれば・・・という気持ちもあり、今更感もぬぐえません。
ちなみに、これを報じているのは読売新聞です。言うまでも無く、爆発的な懲戒請求の要因となった「たかじんのそこまで言って委員会」の放送局である、読売テレビの株主です。
だから何ってこともありませんが。
【2007/11/28 23:32】 | ニュース | トラックバック(3) | コメント(0) |
東京拘置所 獄外記 07/11/27
東京拘置所といえば、最近はこういうニュースがあった。
◆国会議員が死刑場を視察 東京拘置所(11月22日 産経新聞)
参院法務委員会(遠山清彦委員長)の委員11人が22日、東京拘置所(東京都葛飾区)を訪れ、ふだんは公開されていない死刑場を視察した。法相を除く国会議員に公開されたのは、平成15年の衆院法務委員会の視察以来4年ぶり。26日には衆院法務委員会(下村博文委員長)も視察を予定している。(後略)
で、視察の詳細はこちら。
◆東京拘置所の刑場視察で明らかになったこと(保坂展人のどこどこ日記)

実を言うと私は、東京拘置所から自転車で20分くらいの場所に住んでいる。目的地によっては、拘置所の横をすりぬけて出かけることも度々だ。
今日も拘置所を通り過ぎたところに用があったので、拘置所付近を通った。
平日は面会窓口が空いているので、面会時間は弁護士(らしき人)や家族(らしき人)や組員(らしき人)でいつも賑わっている。「差し入れ屋」の横では、いつものように猫が座っていた。
私がチャリンコでササーと走っていると、まだ若いお母さんと5歳くらいの子どもが面会窓口に向かって歩いている。「パパ待ってるよ。もうすぐパパに会えるよ」と母親が語りかけ、子どもはスキップをしながら足早に歩いていく。
「お父さん」はいったいなんで塀の中に入ってしまったのか、未決拘禁なのか死刑囚なのか、いや死刑囚だったらあの軽さで会いにはいかないだろう、などと考えながら私は目的地へと向かう。

用事を終えて帰る途中、今度は拘置所の裏で小学生くらいの女子が3人で遊んでいる。
すぐ近くに公園も複数あるが、用意された「遊び場」より、自分で見つけ・開発した「遊び場」のほうが断然楽しいのは、子どもとして当然の心理だろう。
拘置所の裏は、拘置所|塀|道|綾瀬川|という立地で、川の堤防にカーブミラーが設置されている。そのカーブミラーを柱にして、ダンボールで作った小屋というかなんと言うか、おそらくは「秘密基地」なのだろうか。そこで子どもたちは、実に楽しそうに遊んでいた。
顔の角度を45度も変えれば、拘置所の巨大な建物が目に入る。
私はただ、楽しそうに遊ぶ子どもたちを見て、また自転車を走らせた。

綾瀬川に沿って少し行くと、いつも流れる音楽とアナウンスが聞こえる。
「こちらは、足立区役所です。午後4時になりました。外で遊んでいるお子さんたちは、おうちに帰りましょう」
面会に行った子は、「パパ」と楽しい時間を過ごしただろうか。
秘密基地の子どもたちは、日が落ちるまでには岐路に着くだろうか。

私はまた、自転車を走らせる。




予告を守ってなくてすいません。「自殺対策白書」の話題はまたいつか。
【2007/11/27 17:24】 | 塀の外 | トラックバック(0) | コメント(0) |
復帰します
ようやく風邪がなんとかなりました。
私の周りには風邪っぴきが異常に多いです。皆さんもお気をつけあそばせ!

今日Newエントリーを書けるか微妙ですが、とりあえず気になってる話題はこの辺。
◆初の「自殺対策白書」 9年連続3万人超
◆松本死刑囚の治療を勧告=「人権侵害」と拘置所に-オウム真理教・日弁連
◆松本死刑囚弁護人に「懲戒相当」=趣意書不提出は職責違反-仙台弁護士会綱紀委
◆東京拘置所の刑場視察で明らかになったこと
などなど。

自殺対策白書の件は取り上げるのがずいぶん遅れてしまってるので、それから書く・・・かも。
【2007/11/27 12:15】 | 雑記 | トラックバック(0) | コメント(2) |
日本じゃ「悪人に人権は無い」らしい
まだ風邪が治りません。寝て3時間すると目が覚めて、メシ食ってネットして、寝て3時間すると目が・・・の繰り返しをしております。

SMSさんからも情報をいただきましたが(ありがとうございます!)、徳島の件はやはり「暴行」じゃなくて「暴動」なようです。
◆医療面の不満原因か 徳島刑務所騒動、人権救済申し立て98件
で、このこと自体も問題なわけですが、ある意味でさらに深刻なのは、受刑者に対して「悪人が何言ってんだ」「犯罪者が文句を言うな」的なセケンの空気です。
某mixiでこのニュースを扱った日記を見ても、かなりの割合で「同情に値しない」というスタンスですし、流行のジンケン叩きの一環として「怪我した刑務官より、暴力をふるった犯罪者をかばうのか! なにがジンケンだ!」な感じで、エキサイトしているものもあります。
いろいろ思うところありますが、ちょっと頭が動いてないので、また後日詳しく書きます。
ひとつだけ言うと、受刑者への批判として「一般市民は医療を受けるのに多額の金がかかるのに、犯罪者は無料で(税金負担)医療を受けられる。それなのに医者に文句を言うな」というものがあります。
でも、これって問題なのは、受刑者が税金で医療を受けられることではなく、一般市民が医療を受けるのに多額の金がかかる、ってことのほうだと思うのですが・・・・。
【2007/11/23 23:21】 | ニュース | トラックバック(0) | コメント(1) |
徳島刑務所で起きたのは「暴行」ではなく「暴動」なのか
あうー。風邪をひいてしまいました。
このところ勉学とバイトと職探しと遊びに忙しく、ブログ更新も思うように出来ませんでした。その上、ここ数日で急激に寒くなったので、疲れと気候の変化でダウンって感じです。うがが。
こんな時間(午前1:30)にエントリーを書いてる場合じゃありません。
さっさと寝ろよ、自分。

とか言いつつ、速報的な話題だけ。
おととい紹介した徳島刑務所の件は、単に傷害・暴行事件というより「暴動」と表現したほうが良さそうです。少なくとも、ちょっと怒りっぽい人が(個人的に)キレた程度の話では明らかにありません。
「不穏」察知し応援受けている中で騒動 徳島刑務所(朝日新聞 07/11/20)
徳島市の徳島刑務所(荒島喜宣所長)で受刑者10人以上が暴れ、複数の刑務官がけがをした騒動は、同刑務所が受刑者らに不穏な動きがあるのを事前に察知し、他の刑務所から刑務官の応援を受けている中で起きていたことがわかった。法務省は19日、警戒していたのに騒動を防げなかったことを重くみて、調査に乗り出した。
 同省矯正局によると、「不穏な動きがあるので、刑務官の応援がほしい」と徳島刑務所から要請があったという。不穏になった理由や応援の時期や規模については「言えない」としている。
(後略)

また「暴動」を受け、その後の「塀の中」も、ちょっと大変なことになっているんじゃねーのかと心配されます。
◆徳島刑務所で大弾圧が起きているのではないか?~CPRからの連絡に回答なしとの情報あり

とりあえず、情報まで。
カゼ薬飲んでササッと寝ます。明日は治ってますように・・・・。
【2007/11/21 01:36】 | ニュース | トラックバック(0) | コメント(2) |
日弁連の裁判員制度紹介マンガ -量刑のゆくえ-
旧ブログで触れた日弁連の裁判員紹介マンガに続編が出たようです。
◆量刑テーマ 苦悩する大学生 日弁連、PR漫画の第2弾
前作「裁判員になりました -疑惑と真実の間で-」は他の広報資料には無い視点から、裁判員としての基礎知識と心構えを描いており、なかなか面白かったです。「予想を上回る好評(日弁連談)」だったのもうなづけます。
続編のタイトルは「裁判員になりましたPART2-量刑のゆくえ-」とのことで、前回が「(弁護人から見た)刑事裁判の基礎」とすると、今回は「(弁護人から見た)量刑判断の基礎」と言えましょう。
おそらくは部分否認とか、そのあたりが主題になるのかなと思います。

第二弾の主題として「量刑」が選ばれたのは、全国の模擬裁判で同じ事案でも裁判員によって量刑判断にバラつきが出ているため、そういった背景を考慮してのことかと思います。
◆量刑に差、重い課題 京都地裁で模擬裁判終了
この模擬裁判では、まったく同じ想定の殺人事件で、無罪から懲役14年までかなり量刑にバラつきが出ています。ちなみに検察の求刑は懲役10年で、京都で出た模擬判決は検察求刑を上回る長期刑となっています。
以前にも述べましたが、有罪・無罪と比べ、量刑の判断は元々素人には分かりにくく、また「どうせやってんだから量刑とかあんま重要じゃなくない?」的な考えも少なくないため、今までは無実の冤罪に比べて誤判はほとんど取りざたされることがありませんでした。
そのため、量刑判断の基準やポイントについては司法の中でもとりわけ一般市民に理解されておらず、いざ裁判員制度となれば量刑が重要な課題になるのは当然の帰結です。「量刑の判断が難しい」との声は、模擬裁判開始の当初から、各地で聞かれていたものです。

更に言えば、裁判員が担当する事件の多くは、量刑に死刑や無期懲役が含まれると想定されます。
まず裁判員制度の適応される罪状からして
◆殺人(死刑、無期懲役、5年以上の懲役)
◆強盗致死傷(致死の場合は死刑、無期懲役
◆傷害致死(15年以下の懲役、50万円以下の罰金)
◆危険運転致死(1年以上の懲役)
◆現住建造物等放火(死刑、無期懲役、5年以上の懲役)
◆身の代金目的誘拐(無期懲役、3年以上の懲役)
◆保護責任者遺棄致死(3ヶ月以上、5年以下の懲役)
量刑に死刑・無期懲役の含まれる罪状がやたらと多いことに気付きます。
ちなみに昨年の発生件数からすると、裁判員制度の対象となる事件の3件に1件が強盗致死傷、5件に1件が殺人となるようです。つまり裁判員制度の適応される裁判のうち、相当な割合で死刑が求刑されるか、少なくとも死刑が量刑に含まれるわけです。

死刑が求刑されたり量刑に含まれる場合、当然ながら一般市民である裁判員が、まさに生死を分かつ量刑判断を担うことになります。
もちろん完全無実の有罪(いわゆる冤罪)は大問題ですが、「無実なのに罰せられてかわいそう」を超え、「例え有実でも量刑は厳格に判断されるべき」との考えが広まらない限り、大変なことになるのではないでしょうか。
【2007/11/20 02:00】 | 裁判員制度 | トラックバック(0) | コメント(0) |
荒れる「塀の中」【追記2まで】
全国、津々浦々の「塀の中」に関するニュース。
◆受刑者数人が刑務官に暴行=軽いけが-徳島刑務所
◆傷害:2受刑者を容疑で書類送検-長崎刑務所 /長崎
◆傷害:受刑者、けんかで重体 容疑で1人送検-京都刑務所 /京都
◆暴行:同居の受刑者暴行、容疑で男書類送検-盛岡少年刑務所 /岩手
まぁ、獄中なんて元から治安の悪い(?)ところなのかも知れませんが、重罰化による過剰収容の影響が少なくないんじゃーないでしょうか。
◆急増する受刑者 リポート徳島刑務所
重罰化に私は賛同しないけれど、ひとつの選択肢だとは思う。
ただ、重罰化の帰結として、犯罪が増えなくても受刑者は必ず増える。その辺、準備も無しにというか、とりあえず重い判決ばかり出して、過剰収容のために塀の中が荒れ放題なんじゃ、近代国家とは言えないと思うのだけど。

荒れるのは受刑者ばかりではなく
◆新潟刑務所:受刑者に便宜、副看守長を減給 /新潟
◆<大阪拘置所>受刑者に暴行、中傷の疑い 看守部長を処分
そんな中、わたくしの地元・島根県では
◆PFI刑務所:民間資金活用に理解を-浜田できょう、あす両日フォーラム 
なんだかな~。



【追記】11/19 00:30

そうか、「受刑者数人が刑務官に暴行」ってニュースは、この告発があったのと同じ刑務所か。
◆徳島刑務所「変態医師」恐怖の“●●虐待”自殺した受刑者も~西岡研介@週刊現代
◆徳島刑務所暴動を伝える記事に陵虐事件のことが書かれていないのはなぜ?~告発パート2の画像付
頭の中で場所が即座につながらなかったよ。
ていうか、告発が事実なら「暴行」どころか「暴動」くらい起きても不思議じゃないと思いますよ。



【追記】11/20 00:50

徳島刑務所の虐待告発の件で、統一獄中者組合より記事を転載。
◆日本の監獄事情 : 徳島刑務所医務課長の受刑者虐待を『週刊現代』がスクープ
 本日発売の『週刊現代』11月17日号に徳島刑務所医務課長・松岡裕人医師の受刑者虐待を暴く記事が掲載された。これは筆者の西岡研介氏(「テロリストに乗っ取られたJR東日本」の筆者)が入手した、徳島刑務所の80人の被害受刑者の実名入りの告発書を基に、独自の取材を行ったものである。
 徳島刑務所の松岡医務課長をめぐっては、すでに2年ほど前から「監獄人権センター」や当組合にも、医療行為に名を借りた肛門凌辱、柔道やプロレス技まがいの暴行、医療放置などの悪行についての告発の声が多数届いていた。しかし、診察室という密室での行為ゆえに裏付けを取るのが困難で、なかなか表立って問題化できていなかった。
 今回の記事は、徳島刑務所視察委員会が2度にわたって松岡医師本人に警告をしているなど新たな証言も引き出し、浅井弘保・元徳島刑務所長(松岡と共に病気の受刑者を虐待の末、自殺に追い込んだ)や松岡医務課長に直撃取材や徳島地検周辺への取材を行い、法務省矯正局のコメントを取るなど、この問題について新たな情報を提示している。松岡医務課長の奇行を把握し問題を察知しながら、この期に及んでもまだ「適切な医療行為」などと強弁する法務省矯正局のコメントは笑止である。
 高松矯正管区、法務省矯正局はすみやかに事態を解決するために行動すべきある。さもなければ、この問題は「第二の名古屋刑務所事件」として、徳島地検が動くか、国会・政府レベルの問題にまで発展しないでは済まないであろう。
【2007/11/18 18:25】 | ニュース | トラックバック(0) | コメント(3) |
【記事紹介】安田好弘×鈴木宗男×佐藤優 鼎談
07年10月13日におこなわれた「響かせあおう 死刑廃止の声2007」での鼎談内容が、月刊「創」12月号に掲載されています。
◆”ディープな3人”の死刑廃止論議 「日本の刑事司法は死刑制度に耐えられるか」
メンツを見ただけで「濃っ」という感じです。
イベントでは司会者の女性から「東拘(東京拘置所)三兄弟」と紹介されてました。そんな兄弟イラネエ・・・・。
私は当日、イベント会場にいたので生で聞きましたが、予想通り話の内容も濃かったです。以前にも触れましたが、この鼎談が法務省から「自動的な死刑の執行は考えない」との答弁書を引き出す発端にもなっています。
チラ見しただけで雑誌自体は買っていないので、その部分が掲載されているかは分かりません。ただページ数からして、内容としてはほぼ全文載っているかと思います。
書店で目にされた方はぜひ立ち読みorお金があればご購入を。

鼎談の個人的な感想としては、「事実性」の重要さを痛感しました。
鈴木さんは古くから死刑廃止に関わっている方のようですが、自分が逮捕・拘留され、秘書(だったか事務員だったか)の女性が重病にもかかわらず強引な取調べを受け、その1年後に亡くなったことで「国家権力とはこれほど恐ろしいのか」と強く感じられたそうです。
一方で佐藤さんは、自身が拘留された時に隣室に死刑確定囚が何人もいて、その人たちとある種「生活を共にする」ことで死刑廃止論者に代わったと仰っていました。
この鼎談とは別の話になりますが、最近、死刑制度について積極的に発言されている森達也さんが「死刑廃止論者」になったのも、取材を通じて知り合ったオウム信者の死刑が次に次に確定し、面会で「今まさに目の前にいる人」がいつか殺されることへの違和感が発端だと仰っていました。

死刑廃止についてはいろいろと理屈があり、それはもちろん正しいことも多いのですが、こういう極めて個人的で個別的な事実性(ようするに自分の個人的な体験、経験)から話を進めることも重要だなーと最近はよく思います。
圧倒的な少数である「死刑廃止」に思い至るのは、単にイデオロギー的な問題ではなく、個人的な世界観・人間観・人生経験が、必ずバックボーンにあると思うからです。


さて予断ですが。11月14日は「安田事件」の最終弁論を傍聴して来ました。
さすがニート、時間が有り余っています。
感想は書く機会があれば、また後日。
【2007/11/16 12:46】 | 死刑制度 | トラックバック(1) | コメント(4) |
「いじめ」を目にしたコシヌケな私
先日、ほぼ満員状態の地下鉄に乗っていると、私の後に中学生の男の子が3人ほど入ってきた。
ちょうど隣に居合わせたので嫌でも会話が入ってくる。
すると2人が寄ってたかって、一人の男子生徒をバカにし続けているのだ。

「お前、空手やってんだろ。強いの? 俺らのことバカにしてんだろ?」
「お前がケンカ強いの知ってんだよ。チャンスやるから一発パンチしてみろよ、ほら」
2人は執拗に”彼”を挑発し続ける。
彼はそれにYesともNoとも答えず、どうにか受け流そうと、マンガを読みながら必死であいまいな返答を繰り返している。

「(話を)流してんじぇねーよ」
2人の中でも特に挑発的な男子生徒が、彼を小突く。
「なんでパンチしねーの? チャンスやるって言ってんじゃん」
「ぶっちゃけ、人殴るの怖いんでしょ?」
「お前、自分のこと強いと思ってんだろ? どうなの?」
へらへら笑いながら、攻め立てる言葉はやまない。

何度も何度も、2人は彼を小突く。
「(強いと思ってるか)なんで答えねーんだよ」と男子生徒が言うと、彼はこう答えた。
「Yesって言えば調子に乗るなって言われるし、Noって言えばバカにされるでしょ。だから答えたくない」
その返答が、彼の立場をすべて物語っていると思った。

「やられたらやり返すって言ってたのに、なんで(俺たちに)やり返さねーの? 有限実行じゃねーの?」
「やり返したら、またやられるでしょ。それじゃ解決しないから」
「へぇー。カァッコイーイ。お前、平和主義者とか、そういう感じなんだ」
いい加減に周囲の人間も、我慢の限界に来ていたのだと思う。
男子生徒がまた彼を小突くと、真後ろにいた男性が男子生徒の頭を押さえ、低い声で言う。
「お前、いい加減にしろよ」

一旦は会話が途切れたものの、中傷はまたすぐに再開される。
私もいい加減、我慢の限界に来た。
男性に注意されて、少しは手数の少なくなった男子生徒が彼を小突いた瞬間、その手をさえぎる。
「やめなさい」

それから3人の降りる駅まで、中傷は少しおとなしくなったものの、それでも、やむことは無かった。
コシヌケな私は、それ以上、制止することが出来なかった。
電車を降りる間際、男子生徒が言った。
「怒られちゃっただろ。こういう公共の場じゃ、なんか俺がいじめてるみたいに見られちゃうけどさぁ」

私が男子生徒を注意したことで、あの”彼”はさらに酷いいじめを受けるのかもしれない。
心から、申し訳ないと思った。
【2007/11/14 02:02】 | 総論 | トラックバック(0) | コメント(5) |
鳩山大臣の文書と、鳩山大臣への手紙
ここ数日忙しかったもので、更新してなくてすいません。
社民党・保坂展人議員のブログより、鳩山大臣情報をちょこっと。

◆鳩山法相から官房長官にあてた「文書」
◆團藤重光さんから鳩山法相にあてたメッセージ
文書を出したり手紙をもらったり、さすが大臣、人気者ですね。
って違うか。

アルカイダ発言についての釈明は明らかに矛盾している。
記者会見では「『バリ島の中心部は爆破するから近づかないように』とのアドバイスを受けていた」と言っていたのに、その後になって事前に知らなかったと釈明してるんだけど、爆破が起こった後に「近々爆破が起こる。危ないから近づくな」って忠告するわけないでしょうよ。
この会見はビデオニュース辺りで全編観れるかな~と思っていたんですが、先々週辺りの放送で「視聴に耐えない」と神保さんがコメントされていたので、流さないみたいです。

團藤さんからの手紙について、冒頭だけ引用しておきます。
日本は古来、死刑を行わない時代が長かったことを多くの国民は知っているでしょうか。昔の記録に残っています。平安時代、嵯峨天皇の810年に藤原仲成が誅されてから、「保元の乱」の勃発で1156年に再開されるまで、実に300年以上にわたって死刑は停止されていました。
そもそも唐から輸入された「律令」を手本に大宝・養老律令を制定したとき、日本では法定刑を中国よりも一、二等軽くしたものが多いのです。818年には盗犯について死刑を事実上廃止しています。
遣唐使を廃止し、日本ならではの文化が栄えた「国風文化」の時代、日本には死刑がありませんでした。日本の文化は古来、伝統的に死刑を好まず、忌まわしいものとして避けてきました。
これを、トマス・モアの時代の15,6世紀のイギリスと比べると、違いは顕著です。あちらでは無数の窃盗犯が片端から死刑になっていたわけですから、大変な差があります。
『保元物語』に「国に死罪を行えば、海内に謀反の者絶ず」とあるように、こうした死刑の長期停止には、殺生を戒め、慈悲を本旨とする仏教の影響もあるのかもしれません。
これは明治以後に西洋近代法学が輸入される直前までの、伝統的な日本文化全体に通じます。
(後略)
このような「日本文化としての死刑廃止」の話が冒頭に来ているのは、やはり鳩山大臣が再三「死刑は日本の文化」的な発言をしているからでしょう。
【2007/11/14 01:34】 | 死刑制度 | トラックバック(0) | コメント(1) |
鳩山大臣の「功績」【加筆修正あり】
毎度おなじみ、鳩山大臣おっかけブロガー☆ささきちです。
どうやら大臣は窮地に立たされている(?)ご様子。
◆鳩山法相のアルカイダ発言、民主が真相究明チーム(11月08日 朝日新聞)
◆民主党が鳩山法相追及チーム アルカーイダ発言で(11月08日 産経新聞)
歴代大臣や政治家の問題発言は今までも様々にあったし、その都度、批判されても来ました。それで大臣職を辞した人も、議員を辞めた人もいました。
しかし、かなりの議席を占める野党第一党(民主党)が、ひとつの発言について、それだけのために追求チームを作るなんて異例でしょう。「鳩山大臣」と呼べるのはあとわずかかも知れません。
っていうか、まだ大臣でいることのほうが不思議でならないわけですが。

さて、私的にはこっちが本題。
◆鳩山法相が死刑廃止団体と面会(11月09日 産経新聞)
◆死刑廃止派招き意見交換 鳩山法相「粛々と執行」(11月09日 共同通信)
どれだけ具体的な「意見交換」がなされたのか詳細は伝わってきませんが、とにかくこちらも異例です。鳩山異例大臣です。
しかも、死刑廃止団体との意見交換は今回で終わりではなく、今後も続けていく方針とのこと。

もちろん私は鳩山大臣に「ふざけんな」といろんな意味で思っているわけですが、しかし一方で「高く評価」しているのは、現にこういう事態が生まれているからです。
だって、大臣の「自動執行」発言が無ければ、どうなっていたでしょう?
長勢前大臣が1年に10人の執行という大量執行を行っても、さして話題にはなりませんでした。それを考えれば、死刑判決と死刑確定者がうなぎのぼりで増える中、話題にならないまま、それこそ「粛々と」鳩山大臣による大量執行がなされたことは容易に想像がつきます。
多くの人が気に留めず、知らず、無視したままで執行数と執行頻度ばかりが上がって行ったことでしょう。
しかし、「自動執行」発言によって、そうも行かなくなりました。廃止論者が増えたとは思わないし、執行が無くなる・減るかも分かりません(というかどちらかといえば悲観的です)が。
それでも、少なくとも、今までタブーとされ無視されてきた「執行」という現実が世間から一定の注目を浴び、国会でも今までに無い頻度で死刑制度に関する質疑がなされるようになったのです。
例の「アルカイダ」発言の出た記者会見も、実は「大臣の死刑制度に対する考えを知りたい」という要望が外国人ジャーナリスト(特にヨーロッパの記者)から出たことが会見主旨のひとつでした。死刑廃止国にとっても、日本の死刑執行は関心事となったわけです。
今日の「死刑廃止団体などとの意見交換」も、「自動執行」なんて過激な発言をしてしまったから説明を迫られ、説明する中で中立性の観点から「私は廃止論にも耳を傾ける」などと言ってしまい、そう言ったからには会わざるを得なくなったって話です。
私には鳩山大臣の「自動執行」発言は、死刑存置・推奨の立場からすれば「オウンゴール」だろうと思っています。

しかし一方で、まったく逆の見方もあります。今回のような面談が「廃止派の話も聞いたから良いだろ」と形式だけで免罪符にされてしまい、むしろ死刑廃止派にとって不利益になるという見方です。
■鳩山法相が死刑廃止派と面談
おそらく現実的に考えれば、後者(免罪符説)のほうが有力なのかも知れません。実際に面談した保坂議員のブログなどを読んでも、「とりあえず話を聞くだけ聞いた」感じが満載ですし。
■保坂展人のどこどこ日記
ただ、それが廃止派にとって本当にマイナスなのか私は疑問です。
今までだって、大臣に免罪符があろうが無かろうが、執行されてきたわけです。そして今までは、形式的にすら、たいして話を聞いてもらえなかったわけです。
もちろん、廃止運動の方々が上手く利用されて終わらないように、警戒心は必要かもしれません。しかしだからといって、関わらないんじゃリスクが無い代わりにリターンも確実にゼロです。関わったら、結果的にリスクだけになる可能性もあるけど、少しはリターンがある可能性もあるわけです。
そう考えると、私はやはり大臣がいかに本当は聞く耳など持っていないとしても、関わるしかないだろうと思います。つまり訴え続けるしかないだろうと。
「死刑廃止を前提に意見を聞きたい」なんて言ってくる大臣は、私が生きているうちに現れるかどうか、くらいだと思っていますから。
【2007/11/10 00:11】 | 死刑制度 | トラックバック(0) | コメント(2) |
一応、小沢辞意表明→撤回の件
ぶっちゃけ政局には興味がありません。
それでも大連立やら小沢辞意にはビックリしたわけですが、いずれも撤回でもう何がなんだか。
辞意表明→すぐ撤回って、所信表明演説→すぐ辞任の逆バージョンだよな~とか、結局「再チャレンジ」するのは安部さんじゃなくて小沢さんなのか~とか細かいところで妙な関心をするばかりです。
おかげでここ数日、民主党の鳩山議員の名前がニュースに出ることが多いですね。鳩山大臣おっかけブロガーとしては、トピックスで「鳩山」の文字を見ると反射的にクリックしてしまいますが、読むと結局ブラザーの記事で、紛らわしくて仕方がありません。

それはそうと。
政局はただでさえ分かりにくく、いろんな利害やら思想信条が暗躍していて、表に出てくる情報だけでは実際のところが理解し難いものです。小沢代表は辞意表明の会見でメディア報道をかなり痛烈に批判していましたが、オープンになっている情報すら正しく伝えられない中で、私たちはいったい何を判断すれば良いのか。
■小沢民主党代表が辞意
■「総選挙に向けて全力でがんばる」小沢氏が辞意を撤回
小沢代表のメディア批判を当のメディア自身がほとんど取り上げず、そのくせ党首会談を「密室」とか言って批判するのはいかがなものかと思います。
【2007/11/09 11:07】 | ニュース | トラックバック(0) | コメント(0) |
鳩山大臣と犯罪被害者遺族
小沢代表辞任が大きなニュースとなっていますが、そこはそれ。
鳩山大臣おっかけブロガー☆ささきちとしては、こちらを取り上げないわけに行きません。

◆鳩山法相、「日本にテロリストうろうろ」と発言
◆<鳩山法相>「日本にテロリストがいる」と発言
この発言がどういう文脈・趣旨の中で出てきたのか記事を見たところでは分かりません。
ただ今までの発言からして、犯罪の増加、凶悪化、治安悪化が鳩山大臣の大前提であり、それを解決するためにはセキュリティ強化(としての警備強化、重罰化)を行うべきとの主張が目立ちます。
そうした世界観からすると、おそらくこの発言は「それくらい日本も治安が悪いんだから、監視と警備を強化して重罰化しろ」とか、「そのためには共謀罪が必要だ」とか、「今後はテロリストが入って来ないように、入国時の指紋・顔写真の義務化が必要だ」とか、なんかそういった話かしらと予想しています。

さて一方で
◆<鳩山法相>アルカイダ発言にバリ島テロ遺族が抗議
 02年10月にインドネシア・バリ島で起きた爆弾テロ事件で死亡した日本人夫婦の遺族が、事件を事前に知っていたかのような発言をした鳩山邦夫法相に対し、抗議を申し立てている。長男を亡くした鈴木富久さん(69)=大阪府茨木市=は「国民の生命を守る立場の国会議員として資質を欠いている。被害防止のためどんな行動をしたのか」と憤り、真実を明らかにするよう求めている。(後略)

大臣としては思ってもみなかった展開かもしれません。ていうか、思ってもみなかったことが問題なわけです。
鳩山大臣は死刑の問題についても、今の世論が最も好みそうな「遺族の心情を思えば」といった要素を存置理由に挙げたことがありません(少なくとも私の知る限りでは)。
遺族感情を理由に「遺族が望むから死刑」とする意見に私は同意しませんが、強固な存置論者・死刑推進論者である鳩山大臣が、被害者・遺族について口にしないのを不思議には思っていました。
こういう展開をみると、そもそも大臣の頭の中には犯罪被害者・遺族への配慮が元から存在しないのかも知れません。
こんな話題もありますし。
◆「政治家として誠意欠ける」 鳩山法相のチョウ採取事故めぐり批判の声 比の遺族は離散の悲劇に
誰もが犯罪の増加・凶悪化を恐れるのは、「犯罪は悪いことである」との規範意識とともに、「犯罪は悲惨なことである」との前提があるからです。自分や家族や赤の他人が犯罪被害にあうことが、きわめて悲惨で「そうなって欲しくない」との思いがあるからこその犯罪抑止です。
「そこまでの悲惨な事態なるのだから(なったのだから)、リスクを追ってでも解決すべき」との認識があるなら、存置論についても警備強化についても、一定の理があると思います。
しかし、被害者・遺族感情を想像もせず、軽率な発言をして抗議を受けるような人が、なぜ「犯罪は許されない」と声高に言えるのか。テロを含めた犯罪抑止を理由に、警備の強化や死刑制度といった大きなリスクを伴う政策を訴えているのか、矛盾しているように思えてなりません。
【2007/11/06 17:41】 | 死刑制度 | トラックバック(0) | コメント(0) |
二つの犯罪被害者遺族の署名活動
犯罪被害者遺族の署名活動といえば、記憶に新しいのはこちらです。
ネット上で死刑求める署名 10日間で10万人! 集まる
「残忍な殺人なら、被害者1人でも死刑を」。携帯電話サイト「闇の職業安定所」で知り合った男たちに殺された派遣社員の磯谷(いそがい)利恵さん(当時31歳)の遺族らが、ネット上で死刑を求める署名を始め、わずか10日間で10万人以上もの賛同者を集めた。ネットで署名活動というのも異例だが、この圧倒的な数の力は裁判官に届くのだろうか(後略)

一方、最近になって知った、別の犯罪被害者遺族が行っている署名。
<終身刑>創設を求め、放火殺人事件遺族が署名提出
宮崎市で04年5月に起きた放火殺人事件で妻と次女を失ったイタリア出身のストッキ・アルベルトさん(51)=京都市在住=が2日、仮出所のない「終身刑」の創設を求める約8900人分の署名を鳩山邦夫法相に提出した。法務省を訪れるのは2回目で、提出した署名は計8万人近くに上るという。(後略)

言うまでも無く、どちらが「正しい」とか「あるべき遺族」とか、そういった話ではなくて。
前者のような極刑を求める遺族は大きく報道されるのに、後者のような遺族はほとんど注目されない。まるですべての遺族が死刑だけを求めているかのようだ。しかし実際には、「遺族感情」も遺族の希望も一律ではではありえない。当たり前だ。
終身刑を求めている遺族は在日外国人の方なので、そのこともメディア報道量に関係しているなら、やはり私は「どの口が遺族感情を考えれば」なんて言ってるんだと思わざるを得ない。
【2007/11/05 01:47】 | ニュース | トラックバック(0) | コメント(10) |
アメリカでもカミングアウトは難しいって話
アメリカのコメディドラマ「FRASIER」(邦題:そりゃないぜ!?フレイジャー)で、主人公の弟・ナイルズ役を務めていたデビット・ハイド・ピアースがゲイであることをカミングアウトしていたらしい。
日本では知っている人の少ない番組でしょうが、私は大好きです!!(熱)
特に神経質なナイルズがお気に入りです。かわいいんだ、コレが。
日本ではSuper!dramaTVでシーズン3まで放送済み。本家アメリカ版は11年に渡って放送され、エミー賞も度々受賞している人気番組です。2004年のシーズン11で既に放送を終了しているので、日本でも早く続編を放送してください。お願いします。

で、話を戻すと。
ピアースはこの年齢で独身だし、まぁそうかなーとは思っていた。別にそれについて特に感想はないというか「あぁ、そう」ってなもんだ。あと、長年支えてくれるパートナーがいてうらやましいな、とか(爆)
ただ気になったのは、ニュース記事によれば、彼は長年ゲイであるかについて質問されていたが、少なくとも公式には肯定も否定もしてこなかったことだ。
もちろんLGBT全員がカミングアウトすべきとは思わないけし、認めなかったのが悪いとかそういう話ではない。でも、closeしていて一番つらいのはLGBT本人である。「言わなかった」のではなく「言えなかった」であろうことは想像に難くない。
アメリカは日本と比べればカミングアウトしている有名人LGBTが多いし、彼はアメリカ国内では既に大御所のコメディー俳優なのに、それでもカミングアウトするのは大変なことなんだなぁ。
ゲイだからって仕事が減ったりファンが減ったり、ってことはやはりアメリカでもあるんでしょうね。悲しい話です。

日本の芸能界でも、ゲイ業界(?)ではほとんど半公式にLGBTだとされている人は一定数いるけど、カミングアウトするのはごく少数。特に女性については皆無だ。
それは彼・彼女らに「勇気が無いから」ではなく、日本社会にそれを受け入れる度量が無い(と少なくとも思われている)からであることは、言うまでも無い。


などとノンキなことを書いていたら、こんなニュースが。

「地獄に落ちる」と葬儀妨害=教会に12億円賠償命令-米(時事通信 2007/11/01)
(前略)
この教会は同州トピーカにあり、同性愛に反対する運動を展開。特に同性愛者の入隊を「黙認」している軍を標的にしており、イラクやアフガニスタンで死亡した兵士の葬儀に押し掛け、同性愛反対を訴える過激な活動方針で知られていた。

日本より分かりやすいってか、あからさまね(-_-;
やはりアメリカでは宗教が大きな壁ですか。日本のように「なんとなく嫌」じゃなく、明確に「正義に反するから許さん」って感じで同性愛者を批判をする雰囲気は、アメリカなど宗教的な背景がある国のほうが圧倒的に強いからねぇ。
日本の壁は「出る杭は打たれる」的な村社会と、一見差別が無いかに見える「建前気質」か?
【2007/11/04 00:06】 | LGBT | トラックバック(0) | コメント(0) |
死刑と自殺の共通点
こちらのブログに引っ越して、初手から2つ続けて鳩山エントリーだったので、しばらく静観したいというか関わりたくない気持ちでいっぱいではあるのです。しかし次から次へとネタ提供してくださるので仕方がありません。
この際、ブログ名を「鳩山大臣おっかけブログ☆」とかにして、鳩山さんのことだけ書き続けたい気持ちにすらなります。まぁ、嘘ですが。

◆死刑廃止は日本人になじまず──鳩山法相
ここで披露されている持論は、週朝インタビューと同じく、日本的死生観や再犯を根拠に、死刑制度が必要であるとの主旨。あとは執行期限(本当は訓示規定で法的な期限ではない)が半年は短すぎるなら伸ばしてみてはどうかとか、再審制度があるから冤罪で処刑される可能性については「あまり心配ない」とか、「未来志向でいきましょう」とか、そんな愚にもつかない話。
この後なのか前なのか、同じ記者会見で外国人入国審査での指紋提供と顔写真撮影の義務付けについて質問され、例の「友人の友人がアルカイダ」発言へと繋がっている。
死刑制度に言及する際、冒頭で「思いつきで言っているという人もいるが、そうではない。悩んで悩んで発言をしている」と述べているので、アルカイダ発言ももちろん「悩んで悩んで発言」されたに違いありません。

さて、相変わらず突っ込みどころが多くてどこから手をつければ良いやらという感じなのだけど、鳩山大臣が度々口にしている「日本的死生観」の問題についてだけ詳しく言及しておこう。というのも、私が死刑制度について考えるようになった原点が、この「日本的死生観」なのだ。
私は10年近くに渡って、断続的に自殺願望を持っていた。その間、死ぬ事でなにかが解決すると思っていたし、死ぬ事である意味ハッピーになれると信じていたし、少なくとも生き続けるよりはマシだと思っていた。
その「呪縛」が解けた今から思うと、自分の事ながら理解しがたい感覚である。あの感覚は一体なんだったのか。死によってなにかを得られる、死によって問題が解決できる、という価値観はいったい何なのか。それを考える中で死刑制度と出会った。
鳩山大臣が言うように、確かに日本にはハラキリに始まる「死んで詫びる」「死んで責任を取る」という死生観がある。
しかし重要なのは、その価値観の中で死んでいくのが、実施には決して「悪人」だけではないということだ。自殺で亡くなる人の多く、それも社会によって死に追い込まれたような人たちまでもが「ごめんなさい」と遺書を残して死んで行くのが日本の実態だ。
死刑に関わる日本的な死生観と、自殺によって亡くなる人々の背景にある日本的な価値観は、直結しているように私には見える。
死刑制度はまさに、国家が公的に、加害者が「死んで詫びる」事と、被害者が「殺して復讐する」事を認めている制度だ。 自分の命を絶つにせよ相手の命を絶つにせよ、死によって何かを成し遂げる事が出来る、死ぬ事でしか成せないことがあると認める制度だ。
そのことは、国家が意図しているかどうかはともかく、「死んで詫びる」的な価値観を広く一般に温存する装置になっているだろう。そして失敗や過ちを犯した(と主観的には思っている)多くの人々が、詫びるためには死ぬしかないと思うことを肯定してもいる。
鳩山大臣は、「死んで詫びる」死生観について否定するどころか肯定・賛美し、日本人である以上はそれを守るべきで、だから死刑もあるべきという論理である。不祥事を抱えた政治家が自殺したら、彼もまた石原都知事と同じように「死んで詫びたのだから、彼も侍だった」と美化するのだろうか。

自殺対策に必要な要素のひとつに「どんな命も否定しない」というのがある。
企業を倒産させようが、ギャンブルで散在しようが、ホームレスになろうが、いじめを受けようが、だからといって死ぬことで清算しない。それこそが、自殺の少ない社会なのである。
もちろん、自殺によってなくなった罪もない人々と、死刑になるような「凶悪な犯罪者」を同等に扱うことは決して適切ではない。
しかし、国家が「場合によっては殺しても良い」と公的に認めている中で、「どんな命も否定しない」事などありえないと私は思う。



というのを書き終えた先から

◆鳩山また衝撃発言…秘書時代は「米国のスパイ」だった
鳩山大臣、早い、早いよ! 書いても書いても追いつけません!
突っ込みすぎてもうお腹イッパイです!
お願いですから少し休ませてください・・・・。もしくは辞職して永遠に休んでください(T_T)
こりゃ本気で「鳩山大臣、おっかけブログ☆」に変更か!?
【2007/11/03 05:22】 | 死刑制度 | トラックバック(0) | コメント(0) |
NOVA経営破たんへの姿勢に「恥ずかしい国、日本」を見る
NOVAが業務停止の行政処分を受けた際、旧ブログで「結局のところ、まともにやってたら儲からないようなシステムなんじゃないか」と書いたが、どうやら本当にそうだったらしい。
相当な数の生徒・講師がおり、企業側はそれに対して「出来るだけ保障したくない」という態度に見える。まぁ、これはムチャなやり方で儲ける→つぶれるの企業全般に言えることだ。ミートホープも、いきなり従業員を解雇する!とか言っていたしね。

テレビが無いので、この件についてあまり詳細な報道を見ていないのだけど、初めて経営破たんを知ったのはこのニュースだった。
◆NOVA支援企業「来週中にも」?? 楽天やイオンは否定(J-CASTニュース 10月30日)
イオンなんて相当な店舗にNOVAがテナントとして入っており、もちろん契約料ももらっていたわけだし、学校帰りに買い物をしていく生徒・講師だっていただろう。
持ちつ持たれつの関係だったのに、相手がコケタ途端「はぁ?なんでウチが? 助けるわけないでしょ?」って態度ですよ、奥さん。実際に支援するかはともかく、あまりにもムゲな‥‥。
日本の企業って本当に「俺さえ設ければそれで良し」なんだなー。分かりやすいなー。恥ずかしいなーと思った。

今日になって知ったのは
◆<NOVA>英、豪大使館がHPで講師支援情報を提供
(毎日新聞 10月27日)
英会話学校でお働きの外国人講師のみなさん。
あなたの働いている企業がつぶれたら、日本のお金持ちはまったく助けてくれませんし、メディアはあれだけCMしといて今度はバッシングに走りますが、それでも大丈夫。
心優しい母国の大使館が、きっと支援してくれます!
いやぁ~日本に来て良かったね(泣)

引き続いて
◆<NOVA>講師ら独自授業開催へ(毎日新聞 11月1日)
記事によりますと基金を設立しインターネットなどを通じて世界各国にカンパを呼びかけるとともに、講師の母国のアメリカやカナダ、オーストラリアなど各国大使館にも政府レベルでの救済を陳情する。とのこと。
ええ、そうです。そうすべきです。日本人は助けてくれませんからね。
こんな「恥ずかしい国、日本」なのに、それでも外国人記者に「なぜ日本に残りたいのか」と尋ねられると、講師らは口々に「帰国の飛行機代もない。日本を愛しているし、嫌な思い出を抱いたまま帰りたくない」と訴えたのです。
同じ日本外国特派員協会の会見で、「カレシの友達がキムタクと知り合いで~」ぐらいの調子で「友人の友人がアルカイダ」とか言ってた、どこかの国の大臣とは大違いです。
なんか申し訳ないような気持ちにすらなってきます、ジャパニーズとして。

<紹介>
ゼネラルユニオンNOVA支部
カンパのお願いなどがあります。基本的に英語。
【2007/11/02 01:01】 | ニュース | トラックバック(2) | コメント(1) |
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Author:ささきち
1981年生まれ。150cm。
なんかいろいろマイノリティ。
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