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「死刑執行の氏名公表=被害者のため」なのか?
死刑執行の氏名を公表 法務省方針 被害者感情を重視(07年11月30日 産経新聞)
法務省は29日、死刑を執行した死刑囚の氏名を公表する方針を決めた。死刑執行の公表内容を変更するのに法改正などの手続きは必要なく、次回行う死刑執行時からスタートさせる。同省はこれまで死刑囚の家族らへの配慮などを理由に、死刑執行直後に執行した事実と人数を公表するにとどめ、死刑囚の氏名は公式には明らかにしてこなかった。犯罪被害者の立場を重視すべきだとの世論などに後押しされた形で、死刑執行をめぐる情報公開が大きく前進することになった。(後略)

死刑執行について、だれを執行したのか法務省が公表する方針に変更したようです。
現状も報道などでは氏名が出ていますが、あれは死刑廃止運動を行っている団体などが調査し、報道機関に伝えているもので、法務省の正式な発表内容ではありません。
こうした「情報公開」は、むしろ死刑廃止運動の側から長年要求されてきたことです。「廃止って言ってるのに、なんで氏名の公表を求めるんだよ。プライバシー侵害じゃないのか、人権人権っていう癖になんだよそれ」と思われるかもしれませんが、これには理由があります。
執行人数や氏名を公表する「情報公開」は、現に行われている死刑執行の実情を社会に明らかにする手段の一つです。極端な話し、目の前でよく知っている人が殺されれば、それがいかに凶悪犯罪を犯した人の死刑執行であっても、無視したり、単純に「正義」と思うことは難しくなるでしょう。
死刑制度が秘密主義で行われている現状では、そうした「リアリティ」が社会から奪われます。誰も知らないうちに、誰か分からない人がいくら殺されても、あまり気にならないわけです。
だからこそ、廃止運動の側が氏名を調査し、情報公開を求めているのです。
毎日新聞の記事では、以下のような理由も記載されています。
【視点】裁判員制度にらみ転換 死刑執行の氏名公表(07年11月30日 毎日新聞)
(以下、一部のみ抜粋)
また、一般国民が無作為に裁判員として選出される裁判員制度が21年5月までに導入されることも、死刑執行の情報開示に関する法務省の方向転換の伏線となった。
 裁判員は裁判官とともに被告人が有罪の場合には量刑も判断しなければならない。裁判員が扱う裁判は、殺人や強盗殺人など量刑に極刑が含まれる犯罪が大半を占めるとみられ、裁判員が死刑言い渡しの是非を判断する局面が出てくる。
このため、死刑の実態を知らされないまま、量刑を判断することが、司法の公正性を維持していくうえで弊害にならないかという問題が浮上してきた。

最後にある「死刑の実態を知らされないまま、量刑を判断することが、司法の公正性を維持していくうえで弊害にならないかという問題が浮上してきた」といった視点は、死刑廃止運動の立場から情報公開を求める人々の視点と共通しています。

そんな具合なので、私は公表すること自体には賛同します。
ただ気になるのは、記事にある公表理由が「被害者感情を重視」とされていることです。これはつまり、被害者(厳密にはほとんどの場合が遺族)にとって、死刑の執行が望ましいものとして受け入れられている、執行された報を聞けば遺族が安心できる、といったことが前提になっているわけです。
少数ではあれ死刑を望まない遺族もいるし、死刑を望んでいるにしろ、だからといって執行のニュースを単純に「嬉しい」と感じない場合もあるでしょう。事件のことを忘れようと必死に生活している中、執行のニュースを聞いて心中穏やかでなくなる人だっているかも知れません。
「被害者感情を重視するから執行の情報公開」というのは、そうした人々を無視した発想です。
また、実は殺人事件の多くは、家族や親族などの知り合いが加害者です。最近では家族内殺人も多く報道されていますが、そうした場合、被害者遺族は加害者家族でもあるわけです。
そのような人が、死刑の執行によって二重の意味で遺族となることが「幸い」でしょうか。むしろ基本的には「大いなる悲劇」のように思います。

もちろん、死刑の執行によって安心したり、事件について区切りとできる遺族もいるでしょうし、そうした遺族感情を否定する気はありません。
しかし、やはりこのような「加害者が死んだと聞けば遺族は喜ぶだろう」的な安易な「遺族観」には疑問を覚えます。
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【2007/12/01 00:39】 | 死刑制度 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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